日本相撲協会は25日、初場所(来年1月14日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。大の里(23=二所ノ関)は、幕下10枚目格付け出しでの初土俵から、所要4場所という昭和以降3位タイとなるスピード新入幕を果たした。会見に臨んだ大の里は「自分の名前が大きくなったのを見て、うれしかった。『新入幕したんだな』と思いました」と、初々しく話した。昭和以降最速新入幕は、遠藤と伯桜鵬の所要3場所。

各段優勝こそないが、幕下を2場所を6勝1敗、4勝3敗、十両2場所をともに12勝3敗の好成績で通過した。特に十両2場所は「15日間戦うことを体が覚えたと思う。いい経験になった」と、日体大で2年連続アマチュア横綱の大器らしく、幕内での活躍も予感させるような、落ち着いた口ぶりで話した。ただ、入門前の今年1月の初場所を振り返り「一相撲ファンとして(両国国技館の)2階席から『かっこいい』『1日も早く幕内で取りたい』と思って見ていた。その地位に自分がなるのでうれしい」と、憧れの土俵を待ち切れない様子だ。

会見に同席した師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)も「順調にきたと思う。(今後は)自分次第。いかにつまらないことを、やり続けられるか。あくまで新入幕は通過点。看板は横綱、大関だけど、そうなる素材はある」と、期待の大きさを語った。自身が創設した二所ノ関部屋としては、初の新入幕力士となり、うれしさも隠しきれず、随所で笑みをこぼしていた。

初場所では「先のことは考えず、勝ち越しを目指したい」と、謙虚に話した。新入幕は慣例で10勝以上すると敢闘賞を受賞するケースが多く、二所ノ関親方も「10番勝ってほしい。新入幕のご褒美がありますからね」と、水を向けても、大の里は「目標は勝ち越しです」と、真顔で話した。「まだ相撲界に入って半年の新弟子。テレビで見ていた人がほとんどで、ワクワクもあるし、緊張もある。十両と違って自分の座布団に座るのも楽しみ」。最後まで謙虚に話す姿が、現役時代の師匠と重なっていた。

【初場所新番付】高安1年ぶりの三役、入幕は大量5人、碧山1場所で復帰/幕内十両昇降表