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Tuesday, November 14, 2023

【巨人】中田翔異例の退団 残り2年契約破棄、自ら自由契約 出場機会求めオプトアウトの権利行使 - ニッカンスポーツ

巨人中田翔内野手(34)がオプトアウトの権利を行使して、今季限りで退団することが14日、分かった。

今季が3年契約の1年目だが、残りの契約を放棄できる権利が、契約条項に盛り込まれていた。今季は後半戦にかけてチーム事情によるコンバートの影響で代打出場が増えるなど、92試合にとどまった。プロ野球界では極めて異例といえる、自ら自由契約になることで出場機会を求め、新天地を模索する道を選んだ。

   ◇   ◇   ◇

中田翔が巨人退団の決断を下した。今季はチーム事情によって出番が減少。35歳を迎える来季、プロ野球選手として出場機会を、何よりも最優先した。昨オフに新たに結んだ3年契約を2年残して、破棄できるオプトアウトの権利を行使。メジャーでは契約に盛り込まれることも多い条項だが、NPBでは複数年契約を結びながら権利行使することは極めて異例。14日に申請期限を迎えたFAではなく、人的補償もともなわない形で、他球団への移籍を目指すことになった。

苦渋の決断だった。巨人3年目の今季は、92試合で打率2割5分5厘、15本塁打、37打点。5月に右太もも裏の肉離れで離脱するとルーキー門脇が三塁でのスタメンが増加した。4番岡本和が一塁にコンバートされたことで、中田翔が押し出されるようにスタメンが減少。21試合の代打出場はキャリア最多だった。

10月の秋季練習では「野球人生、1回きりですし、あと10年できるわけでもない。野球人生を全うして去りたい気持ちも強い。DHでも守備に就くでも、試合に出たいという気持ちが強い」と、代打ではなくレギュラーへの強いこだわりを口にしていた。パ・リーグ球団を含め選択肢を絞っていく。

日本ハム時代は不動の主砲として10年連続100試合以上に出場。今季は通算300本塁打だけでなく通算1500安打も達成し、西武中村に次ぐ現役2位の303本塁打を積み上げた。柔らかいハンドリングを武器にする守備では、一塁手では史上初となるセ・パ両リーグでゴールデン・グラブ賞を受賞した。実績を誇る主砲が、新天地でのプレーを模索する。

◆オプトアウト 長期契約の途中でも、選手が契約内容を見直すことができる条項。設定した成績を残したり、年数を経過すれば、より高い条件で契約を結び直したり、自由契約となって他球団と交渉することもできる。

◆中田翔(なかた・しょう)1989年(平元)4月22日、広島市生まれ。大阪桐蔭では1、2年夏、3年春に甲子園出場。07年高校生ドラフト1巡目で日本ハム入団。今年8月6日広島戦で平成生まれ初の通算300本塁打。打点王3度、ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞5度。13、17年WBC、15年プレミア12で日本代表。184センチ、107キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸3億円。

<さまざまな形で自由契約となった主な選手>

◆井口資仁(ダイエー) 04年オフにメジャー挑戦を要望。残留を要望する球団とは3度の交渉の末、球団が容認して自由契約に。まだFA権を取得しておらず、ポスティングシステムよりも交渉しやすい手段をとった。翌年1月にホワイトソックスに入団。

◆中村紀洋(オリックス)06年オフに2億円から1億円以上ダウンの8000万円を提示も保留。6度の交渉も決裂し、トレードでの移籍先も見つからず自由契約に。翌年のキャンプインを迎え、2月12日に中日の入団テストに参加。同25日に育成選手で契約し、開幕前に支配下登録された。

◆新井貴浩(阪神) 3年契約を終えた14年オフ、2億円から1億円以上ダウンの8000万円を提示されるも、自由契約を選択。古巣の広島に2000万円で復帰した。

◆金子千尋(オリックス)18年オフに6億円から5億円減額の1億円を提示されるも退団を決断。球団は残留容認の構えも見せていたが、日本ハムへ移籍。年俸は1億5000万円。

◆「ノンテンダー」3選手(日本ハム)21年オフに日本ハムが西川、秋吉、大田の3選手の保留手続きを行わないと発表。球団側は制約のない状態で移籍してほしいとの措置だった。西川は楽天、大田はDeNAに移籍も、秋吉は年内に移籍先が決まらず。翌年2月に独立リーグの福井に入団した。

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