どうするチェコ戦。侍ジャパンは1次ラウンド第3戦でチェコと対戦する。前日10日は中国に土壇場で逆転勝ちし、WBC初出場初勝利を挙げた。WBSC世界ランキング15位の実力は決して侮れない。ハジム監督が「チームの精神的支柱」と話すのが、唯一のメジャー経験者エリック・ソガード内野手(36)だ。21年までアスレチックス、ブルワーズなどで11年プレー。通算815試合、551安打、26本塁打を放っている。

メガネに、パンツの裾を上げるクラシックスタイルでおなじみ。米国出身だが、母アナさんの母国の国籍を取得し、代表に加わった。アナさんは12歳のとき、米国に移住した。難を逃れるためだった。68年の「プラハの春」に対し、ソ連主導のワルシャワ条約機構が軍事介入する動乱の時代だった。ソガードは「チェコの野球の力になりたい。私のルーツ、チェコの血への恩返し」と決意。アナさんは「私の夢がかなった」と喜んだという。

中国戦は2番二塁でフル出場。初回に右前打を放ち、先制点につなげた。ソガードが安打を放つと、ベンチは一気に盛り上がる。侍ジャパンにダルビッシュや大谷が無形の力をもたらしたように、ソガードに憧れるチームメートは多い。結束を固めたチェコ。ソガードに注意だ。【古川真弥】