98年V戦士がDeNA再建へ集結する。来季1軍スタッフとして、投手コーチに斎藤隆氏(51)が、打撃部門に、この日巨人を退団した石井琢朗氏(51)が入閣することが2日、分かった。横浜(現DeNA)で98年日本一に貢献したエース右腕と1番打者。同じく98年Vメンバーの鈴木尚典氏(49)の入閣も内定済みで、今季新任で6年ぶりの最下位に沈んだ三浦大輔監督(47)の下へ、かつての栄光を知る男たちが帰ってくる。
三浦DeNAの逆襲へ、98年V戦士たちが続々と帰還する。斎藤氏は現役だった05年以来、17年ぶりの復帰。最大の懸案である投手陣の再建へ、三浦監督と二人三脚であたる。
今季は12球団ワーストの防御率4・15。1年間ローテーションを守った投手はいない。チーム最多は大貫の6勝。救援陣も三嶋、山崎が不振で、抑えは流動的となった。浜口、京山、石田、坂本、上茶谷らは伸び悩み、入江、阪口、平良らは故障でパフォーマンスを発揮できず。三浦監督は全日程終了後「1年を通して苦しいシーズンだった。投手陣は抑えを固定できなかった」と課題を挙げた。
98年は三浦監督が12勝し、13勝の斎藤氏はカムバック賞を受賞した。斎藤氏はその後は抑えも任され、日米通算112勝、139セーブと先発と救援双方で高い実績と経験を積んだ。パドレス球団アドバイザーを務めるなど大リーグのフロント職も経験し、幅広い育成手腕が期待される。
マシンガン打線復活の切り札となる石井氏は、1軍打撃部門のコーチとして08年以来、14年ぶりに古巣のユニホームに袖を通す。この日、3軍野手コーチを務めた巨人退団が発表されたばかり。98年には1番打者として強力打線をけん引した。
今季打線はリーグ2位の打率・258、559得点。打率10傑に新人の牧に、桑原、佐野、宮崎の4人が入り、オースティン、ソトを加えて強力打線を形成した。一方、盗塁はリーグワースト31で、成功率は最低の53・4%。併殺打107は最多で、進塁打の精度もつながりも欠いた。
石井氏には状況に応じた打撃や走塁など、攻撃面の底上げが期待される。引退後は広島、ヤクルト、巨人でコーチを歴任し戦術眼にもたける。同じ98年Vメンバーで日本シリーズMVPの鈴木尚典氏も、10年以来12年ぶりのコーチに復帰し、打撃部門は「マシンガンタッグ」が旗を振る。
今季は前年最下位のヤクルト、オリックスがリーグを制した。オリックスは96年以来リーグ優勝から遠ざかる「12球団最長ブランク」球団だったが、25年ぶりの優勝で不名誉な記録をストップ。現在はDeNAが、最もリーグ優勝から遠ざかる球団となった。栄光を取り戻すため、これ以上ない男たちが番長の下に集結する。
◇斎藤 隆(さいとう・たかし)1970年(昭45)2月14日生まれ、宮城県出身の51歳。東北から東北福祉大を経て、91年ドラフト1位で大洋(現DeNA)に入団。06年からメジャーに移籍し、ドジャースをはじめ5球団でプレー。07年には大リーグの球宴に出場。13年に楽天に移籍し、15年に現役引退。その後はパドレスの球団アドバイザーなどを務め、昨季はヤクルトで1軍投手コーチ。日米通算112勝96敗139セーブ、防御率3・50。右投げ左打ち。
◇石井 琢朗(いしい・たくろう)1970年(昭45)8月25日生まれ、栃木県出身の51歳。足利工から88年ドラフト外で投手として大洋(現DeNA)入団。92年に内野手に転向。98年に最多安打、盗塁王に輝き日本一に貢献した。06年5月11日に2000安打達成。09年に広島に移籍し、12年にコーチ兼任。同年限りで現役引退。通算成績は2413試合で打率・282、102本塁打、670打点、358盗塁。13~17年は広島、18、19年はヤクルト、20、21年は巨人でコーチを歴任。1メートル74、78キロ。右投げ左打ち。
▽98年の横浜 前年2位で7年ぶりAクラス入りを果たし、権藤博監督が就任。石井琢、鈴木尚、ローズ、駒田らを主軸とし、上位から下位まで切れ目のない、つないで得点を稼ぐ「マシンガン打線」を確立した。また、斎藤隆、三浦の先発陣から佐々木につなぐ盤石の継投リレーもはまり、最終的に79勝56敗1分け、勝率・585。2位・中日と4ゲーム差で38年ぶりのリーグ制覇。日本シリーズは西武を4勝2敗で下し、1960年以来の日本一となった。
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DeNA 石井琢朗氏、斎藤隆氏が入閣 チーム再建へ鈴木尚典氏に続き98年V戦士が集結 - スポニチアネックス Sponichi Annex
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