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Sunday, September 3, 2023

バスケワールドカップ、覇権奪回狙う米国への期待と不安 - 日本経済新聞

〝バスケットボール王国〟米国は覇権を奪還できるのか。

日本代表のパリ五輪進出決定が話題となったバスケットボールのワールドカップ(W杯)は、これから優勝争いに向けて盛り上がりを見せようとしている。中でも焦点は米国が2014年以来の優勝を果たせるかどうかだろう。

今大会ではニュージーランド、ギリシャ、ヨルダン、モンテネグロを下したアメリカだったが、3日、リトアニアとの2次ラウンド最終戦では104-110で惜敗。すでに準々決勝は決めていたが、いよいよ始まる一発勝負のトーナメントに向けて不安を感じさせた。ただ、過去5度の優勝経験を持ちながら、前回大会は7位という屈辱的な惨敗を喫している。世界最高のバスケットボールリーグであるNBAでプレーする選手が敷き詰められた代表チームのモチベーションは高いはずだ。

もっとも、今大会に臨んだ米国は最高のスーパースター軍団ではない。2021年、東京五輪で金メダル獲得した際のメンバーは一人も含まれておらず、NBAでオールスター経験のある選手はタイリス・ハリバートン(ペーサーズ)、アンソニー・エドワーズ(ティンバーウルブズ)、ジャレン・ジャクソン・ジュニア(グリズリーズ)、ブランドン・イングラム(ペリカンズ)の4人。レブロン・ジェームズ(レーカーズ)、ケビン・デュラント(サンズ)、ステフィン・カリー(ウォリアーズ)といったビッグネームはそろって不在であり、1992年のバルセロナ五輪以降、米国代表の通称となった〝ドリームチーム〟という呼称はこの陣容にはまだふさわしくない。

米国の多くの選手たちにとって、過去4大会連続で金メダルを獲得した五輪は別格の大会なのだろう。そのメンバーに名を連ねることはスーパースターのステータスの一つ。その一方で、W杯のロースターはよりフレッシュな選手が中心になる傾向がある。

19年に開催された前回大会もジェイソン・テイタム(セルティックス)、ジェイレン・ブラウン(セルティックス)、ドノバン・ミッチェル(キャバリアーズ)といったその時点でまだスーパースターとして確立されたわけではない若手が主体となった。1次ラウンドから5連勝と順調なスタートを切ったものの、準々決勝でフランスに敗戦。順位決定戦でもセルビアに敗れ、優勝候補筆頭らしからぬ7位という結果に終わってしまった。

あれから4年――。これから始まる決勝トーナメントで米国がどんなプレーを見せるかが興味深い。

上記したエドワーズ、ハリバートン以外にも、ジェイレン・ブランソン(ニックス)、ミカル・ブリッジズ(ネッツ) 、オースティン・リーブス(レーカーズ)といった好選手たちが活躍している米国は層が厚い。エドワーズ、ハリバートンなどはこの大会をきっかけの一つに、NBAの次代を担っていく選手になりそうな可能性を感じさせている。ただ、ビッグマン(センター、パワーフォワードのポジション)に実績豊富な選手は少なく、サイズ不足なのが弱点とされる。

モンテネグロ戦でもリバウンド争いで大敗を喫し、前半終了時点で1点のビハインドを負った。最終クオーターも残り3分でまだわずか4点リードと苦しみ、何とか勝ちきったものの、紙一重と呼べる内容だった。

「40点差で大勝するより、こういったゲームを通じて向上できる。すべてのポゼッションが重要なゲームをプレーする中で成長できるんだ」

モンテネグロ戦後、ヘッドコーチのスティーブ・カーは公式会見でそう述べていた。実際にここでモンテネグロ、リトアニアと緊張感のある試合を経験したことは今後に生きるかもしれない。ただ、まだ2次ラウンドの段階で、格下とみなされたチームに連続で苦戦し、苦杯を喫したことを不吉と捉える関係者もいるだろう。これから先は対戦相手のレベルも上がる。それぞれNBAのスター選手を備えたドイツ、スロベニア、カナダといった強豪国には簡単には勝てないはずだ。高レベルのトーナメントの中で、米国はどんな姿を見せてくれるのか。

振り返ってみれば、米バスケットボール界が五輪で勝つために長期視野でのチーム作りを考え始めたのは、04年のアテネ五輪で5勝3敗とまさかの大苦戦を喫した後だった。その後、本腰を入れた〝王国〟の連覇がスタートする。

W杯に関しても、ここでまたも苦杯をなめ、ビッグステージで2大会連続の屈辱を味わうようなことがあれば、今後のチーム作りの方向性は変わりかねない。だとすれば、今後の数試合は重要な意味を持つ。これから先は目が離せないゲームが続き、頂点に近づくにつれて、米国内での注目度も徐々に高まるのではないか。

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