キックボクシング無敗の格闘家で4月にプロボクシング白星デビューを飾った東洋太平洋スーパーバンタム級8位那須川天心（25＝帝拳）がプロ第2戦メキシコ・バンタム級王者ルイス・グスマン（27）との57・79キロ契約体重8回戦で大差判定勝ち。ダウンを2度奪うなど、成長をみせつけてデビュー2連勝を飾った。
WBO世界スーパーフライ級王者中谷潤人（25＝M・T）が同級6位アルヒ・コルテス（28＝メキシコ）との初防衛戦で3－0の大差判定勝ちを収めた。
WBAスーパー、WBC世界ライトフライ級王者寺地拳四朗（31＝BMB）がWBC同級1位、WBA4位のヘッキー・ブドラー（35＝南アフリカ）との防衛戦に臨んでいる。
右のオーソドックス同士の対戦。開始からブドラーが前に出てプレッシャーをかけるが、寺地も右ジャブを突いて前に出る。中盤までジャブの突き合いに。2分すぎに両者バッティング。ラウンドを通じて寺地のジャブが的中率で上回る。
【日刊採点】寺地１０－９
２回
開始から寺地が右ジャブを突いて前に出る。ブドラーも前に出るが寺地のボディーブローが決まる。1分20秒すぎに寺地の右ストレートでブドラーのアゴが上がる。中盤からは接近戦での打ち合いに。ほぼ互角の打撃戦も寺地がボディーブローを連打に交えるなど攻撃が多彩。
【日刊採点】寺地１０－９
- 2回、寺地はブドラーにパンチを打ち込む（撮影・山崎安昭）
３回
序盤はジャブの突き合い。中盤はボディーブローの打ち合いも、お互い譲らず。ブドラーも前に出て打ち合うが、寺地は冷静のボディーブローをヒット。終盤も寺地のボディーブローが有効で、ブドラーの動きがやや重くなる。
【日刊採点】寺地１０－９
- 3回、パンチを放つ寺地（右）（撮影・横山健太）
４回
寺地がジャブを突いてプレッシャーをかける。ブドラーは足を使って波状攻撃。30秒すぎに寺地の右ストレートがクリーンヒット。その後も寺地の右ストレートが決まりだす。ブドラーも前に出るが決定打は少ない。２分すぎに寺地の右アッパーがヒット。ブドラーも右ストレートを返す。ブドラーは手数は多いが有効打はほとんどなし。
【日刊採点】寺地１０－９
５回
寺地のジャブが効果的。30秒すぎに偶然のバッティングで寺地が右目尻をカット。再開後はひるまず寺地が連打で前二出る。中盤は寺地が手数で圧倒。ボディーブローが効いてブドラーが後退。終盤も寺地が左ボディーブローで主導権を握る。さらに右ストレートも決まり、ブドラーが腰を落とす。
【日刊採点】寺地１０－９
６回
開始早々、寺地の右ストレートから左ボディーブローがヒット。50秒すぎにブドラーの連打に寺地がスリップ。中盤は寺地の右ストレートがクリーンヒット。その後の接近戦での打ち合いはほぼ互角。2分20秒すぎに寺地の右ストレートでブドラーがグラつく。寺地がラッシュもブドラーも強気に打ち返す。
【日刊採点】寺地１０－９
７回
寺地が前に出てプレッシャーをかける。ブドラーは足を使って打ち合いを避ける。中盤は寺地の手数が減るが、２分すぎにジャブから再びプレッシャーをかける。ブドラーは手数で上回り、時折、右フックを当てるが浅い。このラウンドはやや寺地が休んだか。
【日刊採点】ブドラー１０－９
８回
寺地がジャブを突いてブドラーをロープに詰める。30秒すぎに寺地の右ストレートがクリーンヒット。中盤も寺地がペースを握る。ブドラーは足を使って、時折、連打も有効打にはならず。終盤にブドラーが連打も寺地が足をつかってすべてかわす。
【日刊採点】寺地１０－９
９回
57・79キロ契約体重8回戦
| 那須川天心 | ○ | 判定 ３－０ |
● | ルイス・グスマン |
試合経過
- グスマン（左）に8回判定勝ちした那須川（撮影・江口和貴）
- 試合を終え声援に応える那須川（撮影・横山健太）
- 那須川天心対ルイス・グスマン 試合後、父の弘幸さん（右）と抱き合う那須川（撮影・横山健太）
- 選手紹介で笑うポーズを見せる那須川（撮影・山崎安昭）
那須川天心がデビュー2連勝「ボクシングへの本気見せられたと思う」経験豊富なメキシコ王者撃破
那須川天心「人生うまくいかないもんだな」判定でプロ２連勝も進化を示し「かませる男になる！」
１回
那須川がプロ2戦目でメキシコ・バンタム級王者のグスマンと対戦。1回、開始から那須川はサウスポースタイルから強い右ジャブを突き刺す。59秒、左ストレート１発でグスマンからダウンを奪う。立ち上がったグスマンに那須川は連打から左ストレートを浴びせる。終盤は左ボディーブロー、右フックがクリーンヒット。那須川の圧倒的なスピードにグスマンのパンチは空を切るばかり。
【日刊採点】那須川１０－８
- 1回、ダウンを奪う那須川天心（左）（撮影・横山健太）
- 1回、グスマン（手前）からダウンを奪う那須川（撮影・江口和貴）
- 1回、左のカウンターでグスマン（左）からダウンを奪う那須川（撮影・横山健太）
２回
那須川の左ボディーブロー、左ストレートが先制打に。右ジャブも強く、グスマンはなかなか懐に飛び込めない。2分すぎに那須川の左ストレートがクリーンヒット。飛び込んでの右フックも決まる。終盤も那須川の左ストレートが再三ヒット。
【日刊採点】那須川１０－９
３回
20秒すぎに那須川の左ボディーブローから左ストレートの連打が決まる。１分すぎに那須川の右フックがカウンターでヒット。グスマンがバランスを崩す。グスマンのパンチはことごとく空転。2分すぎに那須川の左ボディーブローにグスマンが腰を落とす。グスマンも連打で反撃して意地を見せる。
【日刊採点】那須川１０－９
４回
開始早々、那須川の左ストレートがクリーンヒット。その後は右ジャブを効果的に使う。中盤は那須川が変幻の動きでパンチをヒット。グスマンは前に出るがパンチが届かない。終始、那須川のペース。
【日刊採点】那須川１０－９
５回
開始から那須川の連打がヒット。左ボディーブローも再三ヒット。グスマンはガードをかためて前に出る。1分すぎに那須川が足を踏まれてバランスを崩すが、すぐに体勢を整え直す。後半はグスマンがプレッシャーをかけるが、那須川はガードとクリンチでかわす。残り30秒、那須川の右フックから左ボディーブローが決まる。
【日刊採点】那須川１０－９
- 5回、那須川はぐうぜんにもグスマンの首に手をかける（撮影・山崎安昭）
６回
開始早々、那須川のワンツーが立て続けにヒット。30秒すぎ、那須川が一気にラッシュ。グスマンはフラフラになって後退。那須川が連打で追うが、グスマンはガードをかためて耐える。2分すぎに那須川の左ボディーブローがクリーンヒット。左ストレートも顔面をとらえる。残り30秒、那須川の右アッパーにグスマンが体を丸めて後退。再び那須川がラッシュもグスマンは耐える。
【日刊採点】那須川１０－９
７回
那須川が左ストレートから右ボディーブローをクリーンヒット。その後も右ジャブ、左ストレートが再三決まる。1分半すぎには左ボディーブローから左フックの連打も決まるが、タフなグスマンは倒れない。2分すぎに那須川が強打でこの試合2度目のダウンを奪うが、グスマンは再び立ち上がる。
【日刊採点】那須川１０－８
８回
那須川が左ボディーブローから右フックを決めるが、グスマンも連打で応戦。中盤に那須川のボディーブローでグスマンの動きが止まる。2分すぎ那須川の顔面への連打でグスマンがふらつく。終盤は那須川の左ストレートにグスマンが尻もち。
【日刊採点】那須川１０－９
- 8回を終え拳を突き上げる那須（撮影・横山健太）
WBO世界スーパーフライ級
| 中谷潤人 | ○ | 判定 ３－０ |
● | アルヒ・コルテス |
試合経過
３－０の大差判定勝ち
中谷潤人が判定勝ちで初防衛に成功 “最強王者超え”を意識で難敵コルテス撃破 統一戦に弾み
- 12回判定で防衛した中谷（中央）（撮影・江口和貴）
１回
サウスポーの王者・中谷が右ジャブを突いて慎重に距離をはかる。コルテスは右を伸ばすが中谷には届かない。50秒すぎに中谷の右フックがクリーンヒット。中盤は両者様子をうかがい手数が少ない。中谷の左ストレートも空を切る。2分半すぎの中谷の左ストレｰともガードの上。終了間際に中谷の左ストレートがヒット。
【日刊採点】中谷１０－９
- 1回、パンチを放つ中谷（右）（撮影・横山健太）
２回
開始からコルテスの右は再三空を切る。中谷に届かない。中谷は右ジャブを突いて距離をとる。コルテスの入り際に右フックが決まる。中盤に中谷の右アッパーが浅くヒット。好戦的なコルテスは中谷の強打を警戒して攻めていかない。残り30秒、コルテスが強引にパンチを振るって出るが、中谷はサイドステップでかわす。お互い有効打はないが、中谷のペースか。
【日刊採点】中谷１０－９
３回
中谷が右ジャブを突いてタイミングをはかる。30秒すぎにコルテスの右ストレートが浅くヒット。１分すぎに中谷が左ストレートをお返し。その後、コルテスが前に出て強い連打を中谷のガードの上から当てる。コルテスがじわじわとプレッシャーをかけるが、２分すぎに中谷の左ストレートが決まり、コルテスが腰を落とす。残り30秒に中谷の左がヒットも、コルテスも右を打ち返す。一進一退の攻防。
【日刊採点】中谷１０－９
４回
開始から中谷は相変わらず距離をとって慎重に戦う。その後、左ストレートが2発ヒット。コルテスは中谷の右ジャブがじゃまになり、なかなか懐に入れない。中盤に中谷のロングレンジからの左フックがヒットして、コルテスの上半身が揺れる。2分20秒すぎにも中谷のロング左フックがヒット。ワンツーも決まる。
【日刊採点】中谷１０－９
５回
開始早々、中谷の左ストレートがヒットしてコルテスのあごが上がる。1分すぎにコルテスの右ストレートがヒット。1分20秒すぎに中谷の左ストレートがクリーンヒット。コルテスも前進して連打を放つが、中谷はガード。2分すぎに中谷の左ボディーブローが決まり、コルテスがダウン。再開後、中谷が連打から右ボディーブローで2度目のダウンを奪う。
【日刊採点】中谷１０－７
- 5回、コルテス（右）からダウンを奪う中谷（撮影・江口和貴）
- 5回、ボディーブローでダウンを奪う中谷（右）（撮影・横山健太）
- 5回、2度目のダウンを奪う中谷（右）（撮影・横山健太）
６回
中谷の左ストレートがヒット。20秒すぎに左ボディーストレートも決まり、コルテスはスリップダウン。1分すぎに中谷の左ボディブローが決まる。コルテスも左フックを返すが力がない。2分すぎにコルテスの右ストレートが決まり、中谷はロープ際で腰を落とす。効いているようだったが、足をつかって距離を取る。
【日刊採点】コルテス１０－９
７回
中谷は右ジャブを突いて慎重に距離を取る。コルテスはじわじわと前に出る。1分すぎに中谷が左ボディブローを決めるが、コルテスも左ボディーブローを返す。1分半すぎに中谷の左ストレートがヒット。2分すぎには中谷の左ストレートから返しの右の連打が決まる。終盤、コルテスの右フックがヒット。中谷は左ボディーブローを返す。
【日刊採点】中谷１０－９
８回
1分はジャブの差し合いでパンチの交換はほとんどなし。1分半すぎに中谷の左ボディーストレートがヒット。2分すぎにコルテスが右を返す。残り30秒、中谷の左ボディーブローがヒット。コルテスも右フックを打ち返す。終了間際に中谷のコンビネーションが決める。
【日刊採点】中谷１０－９
９回
中谷が右ジャブでペースを握る。コルテスは右ボディストレートを決める。中盤に中谷が連打からの左アッパーをヒット。2分すぎに中谷の連打がコルテスの顔面をとらえる。2分15秒すぎに中谷が左ボディーブローでこの試合3度目のダウンを奪う。コルテスは立ち上がるが後退。
【日刊採点】中谷１０－８
- 9回、ボディーブローでダウンを奪う中谷（左）（撮影・横山健太）
10回
開始早々、中谷が左ボディブローを決める。コルテスも右ボディブローを返す。1分すぎに中谷のワンツーが決まるが、コルテスも連打で応戦。1分50秒、中谷に左ストレートが決まり、コルテスはのけぞる。終盤も中谷の左さ数発ヒット。
【日刊採点】中谷１０－９
11回
コルテスが連打を振って前に出るが、中谷は距離をとってかわす。中谷も左アッパーを返す。1分すぎにコルテスの連打からの左フックが中谷にヒットするが、中谷も左ストレートを返して、コルテスは腰を落とす。後半は中谷が連打で攻勢に。コルテスの勢いが止まる。終了間際に中谷の左ボディーブローでコルテスの動きが止まる。
【日刊採点】中谷１０－９
12回
大歓声の中、最終ラウンド開始のゴング。中谷は右ジャブを突いて距離を取る。コルテスは連打を振るって前進も中谷は冷静にクリンチ。中盤以降、コルテスは逆転を狙って打ち合いに出るが、中谷は無理をせずに。2分すぎに中谷がラッシュして勝負をかける。コルテスはフラフラになりながらも何とかゴングに救われる。
【日刊採点】中谷１０－９。３－０の大差判定勝ち
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