女子テニスの元世界ランキング1位の大坂なおみ選手（フリー）が11日、自身のSNS（ネット交流サービス）を通じて妊娠を公表するとともに、1年後の4大大会、全豪オープン出場に意欲を示した。出産により競技者としてブランクが生じるが、女子テニス界には出産などを経た選手が第一線に復帰しやすい規定がある。
テニスの女子ツアーを統括する女子テニス協会（WTA）は2019年、妊娠、出産などの長期離脱からの復帰で「特別ランキング制度」を利用して大会に出場する選手に対し、離脱前のランキングに基づいてシード権を与える規則変更をした。トップ選手が出産、復帰した具体例を踏まえ、選手が厳しい立場に立たされないよう配慮する環境整備が進んできた。
元世界ランキング1位で12、13年に全豪を連覇したビクトリア・アザレンカ選手（ベラルーシ）は16年12月に出産し、17年6月に復帰した。31歳で迎えた20年9月の全米オープンでは決勝で大坂選手に敗れたが、出産後の4大大会シングルスでは初めて決勝の舞台まで帰ってきた。
大坂選手の憧れの存在で、4大大会通算23勝のセリーナ・ウィリアムズ選手（米国）も17年9月に出産後、18年からツアーに復帰。全仏オープンに「特別ランキング制度」で出場した際にシードされず、議論を呼んで規則変更につながった経緯がある。同年9月に大坂選手が4大大会初制覇を果たした全米オープンでは準優勝した。
大坂選手は4大大会では4度目の優勝となった21年の全豪以降は頂点から遠ざかり、ここ数年は心身ともに不調が続いていた。22年9月の東レ・パンパシフィック・オープン（東京）を途中棄権してからはツアーに出場しておらず、今年1月の全豪欠場が発表されたばかりだった。
他競技では、陸上長距離の赤羽有紀子さんが06年8月の出産後にマラソンで活躍。08年北京オリンピックは1万メートルと5000メートルに出場した。バレーボールの荒木絵里香さんも14年1月に出産後、16年のリオデジャネイロ五輪に出場し、21年の東京五輪では主将も務めた。サッカー元なでしこジャパンの岩清水梓選手も出産後に競技を続けている。【川村咲平】
大坂なおみが妊娠公表 出産後に復帰しやすく…環境整備進むテニス界 - 毎日新聞
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