先輩たちの背中を追うだけではなく抜き去る。そう決意を込めるのは、フィギュアスケート男子の昨季の全日本ジュニア王者、三浦佳生(かお)選手(17)=オリエンタルバイオ・目黒日大高=だ。今季からシニアに本格参戦するホープの意欲をかきたてる裏には、憧れのスケーターの存在があった。
4大陸選手権3位のホープ
「120点ですよ。出来過ぎですね」
8月半ばに横浜市内で行ったインタビューの冒頭、三浦選手は昨シーズンを総括した。昨年は11月の全日本ジュニア選手権で初優勝し、12月の全日本選手権は4位と健闘。前年の7位から一気に躍進した。
「ジュニアの試合は自信もあったので、それが勝ちを呼んだのかな。シニア(全日本選手権)に関しては、本来だったらあそこまでいけなかったと思います。何も懸かっていなかったというチャレンジャー精神で、気楽な気持ちで臨めました。フリーはさすがに体がカチカチで(平常心で滑るのは)無理でしたけど。だって、公式練習で羽生(結弦)君が同じリンクで滑っているし、クワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を跳び始めるし。一人でニヤニヤしてました」
国内最高峰の大会である全日本選手権は例年、独特の緊張感が漂う。さらに昨年は北京冬季オリンピック代表の最終選考会も兼ね、重苦しい空気が取材している側にも伝わってきた。
ショートプログラム5位で、フリーは最終グループに入った三浦選手は4回転ジャンプ4本という高難度の構成で挑み、3本を着氷。「すごく貴重な経験だった」と振り返る。
1月の4大陸選手権では初出場ながら堂々の3位。フリー前日に左脚の肉離れに見舞われながら、気迫で滑りきった。しかし、無理した反動は否めなかった。3月の世界選手権は左太ももの肉離れで欠場。4大陸選手権の時とは別の部位を痛めたという。4月の世界ジュニア選手権は調子が戻りきらずに13位。けがに悩まされたシーズン終盤だったが、得たものもあった。
「無理してやるものじゃない、という良い経験になった。自分のモチベーションや気持ちに対して体がついていけないのが大きかった。自分のキャパ(能力)を超えた動きをしたことによって新たに故障してしまったと思う。反省を踏まえて、今はけがなく自分をコントロールすることを一番にやっています」
園児の頃からの憧れ
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羽生結弦さんに憧れる三浦佳生 「攻めて勝つ」17歳の決意 - 毎日新聞 - 毎日新聞
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