◆東京五輪 ボクシング(4日、両国国技館)
女子フライ級の準決勝が行われ、五輪初出場の並木月海(自衛隊)は、12年ロンドン五輪5位のクラステバ(ブルガリア)に5―0で敗れ、惜しくも決勝進出はならなかった。3位決定戦がないため、銅メダルが確定し、終戦した。
金メダルを獲得したフェザー級の入江聖奈(日体大3年)に続くことができず「率直にやっぱり悔しいって気持ちが大きいです。オリンピックは金メダルを目標にやってきたので一番いい色のメダルを取りたかった。聖奈もトップになったし、自分もしっかりいい色のメダルを取りたかったのが本音です」と、悔し涙を流した。
ここまで3戦連続の5―0の完勝だった。並木が「一番最初に自分のテンポにできなかったのがいま考えられる限りの敗因。今大会、1ラウンド目で取れなかったことがなかったので、そこでテンポが崩れたのが一番の原因かと思う」と振り返ったように、準決勝は初回からリズムをつかめなかった。小刻みに動いて速いステップワークで懐に入り込もうと試みたが、踏み込みの一歩目で相手のジャブで機先を制された。並木は「いま思うと、もっとグチャグチャでもいいから、勝ちにこだわって開き直って戦えていたら」と唇をかんだ。
身長153センチと、今大会の女子フライ級で最も小柄。不利と言われてきた体格差を克服するために、相手の倍以上の運動量で動ける体力をつけ、工夫に工夫を重ねたボクシングで世界の強豪と互角以上にわたりあるいてきた。
東京五輪での目標はもちろん金メダルだったが、それ以上に「世界に私のボクシングを認めさせたい」という思いもあった。並木は「まだまだ自分には足りないところがたくさんあると感じることがあった。自分は身長も低いですし、リーチも短いので、なかなか難しいところもあると周りには言われるけど、自分の中では生かしたボクシングを一生懸命探してやってきたので、本当は金メダルとって小さくても金メダル取れるってところを見せたかった」と、悔し涙をこらえて気丈に語った。
3年後の24年パリ五輪での雪辱を聞かれると、15秒考えた後、並木は「本当は、正直なところ、目指すつもりはなかったんですけどいま、やっぱり悔しいって気持ちが強くて。次の大会で次は一番いい色のメダルを取って帰ってこれるように頑張りたい」と答えた。
5日に準決勝を控える男子フライ級の田中亮明(中京高教諭)がすでに銅メダルを獲得しており、東京五輪の日本勢のメダルは3個が確定。過去最多の同一大会複数メダルだった、12年ロンドン五輪の男子ミドル級金・村田諒太、バンタム級銅・清水聡を超える活躍となっている。
ボクシング女子フライ級の並木月海は銅メダルで終戦 日本ボクシング女子はメダル2個の快進撃 - スポーツ報知
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