◆ＪＥＲＡセ・リーグ公式戦 阪神２―１０ＤｅＮＡ（２５日・京セラＤ）
快挙を信じ、牧は加速した。打球が右翼線のフェアゾーン、同学年で仲のいい佐藤輝の前で弾むのを見ると一気に三塁を陥れた。９回先頭。岩貞からの三塁打で新人史上初のサイクル安打達成。「プロ野球の長い歴史の中で名誉あること。自分よりもベンチが喜んでくれてうれしかった」と、はにかんだ。
右越え二塁打、右中間への１４号３ラン、中前２点適時打で４回で早くもリーチ。チームメートから「狙え！」と背中を押されていた。４打席目の捕邪飛を挟み、９回に最難関の三塁打を決め「まずは安打と思っていたけど、狙っていたのかな。ファウルか、（フライ）アウトかなと思ったけど、回っている時にいけるんじゃないかなと」と冷静だった。
侍ジャパンの金メダルに心を動かされた。中大時代には日本代表を経験。同学年の伊藤（日本ハム）や１つ上の森下（広島）がピンチを抑えるとテレビを見ながら思わず「よしっ！」と応援している自分に気がついた。「年齢も近いし、すごい刺激をもらった。目指したいところ」と後半戦へ気持ちを入れ直した。
８度目の猛打賞で１９５９年桑田武を抜き、６２年ぶりに球団新人の新記録も樹立。４安打５打点で、チームが４戦３敗と苦手としていた伊藤将に黒星をつけた。
ここまで打率２割９分２厘、１４本塁打、４７打点。昨年のドラフト会議、２位まで残っていた牧の存在に思わずほくそ笑み、迷わず指名した球団の目は間違いではなかった。この日４安打は全てが中堅から右方向で「今は準備がよくできている。理想の打撃ができた」。佐藤輝（阪神）、栗林（広島）の数字がすさまじいが、牧の技術、成績も新人王クラスだ。（岸 慎也）
■記録メモ
牧（Ｄ）が、１９年４月９日対ＤｅＮＡ戦の梅野（神）以来、プロ野球７０人目７５度目となるサイクル安打を達成した。セでは３７人目４０度目になる。
新人のサイクル安打は、１９年オールスター〈２〉戦で近本（神）が記録しているが、レギュラーシーズンで、新人がサイクル安打は牧が初めて。前身を含め球団でサイクル安打は、３度記録したローズ（９５、９７、９９年）をはじめ、１８年７月２０日対阪神戦の桑原以来、８人目１０度目だ。
【ＤｅＮＡ】牧秀悟がルーキー史上初サイクルヒット！ 「プロ野球の長い歴史の中で名誉あること」 - スポーツ報知
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