2021年08月02日07時11分
五輪史上初めて性別変更を公表して出場する重量挙げ女子87キロ超級のニュージーランド(NZ)代表、ローレル・ハバード選手(43)が2日、競技に臨む。保守派や女子選手が「公平性が失われる」と疑問視する中、東京五輪が理念とする「多様性と調和」実現への道のりは険しい。
トランスジェンダー、五輪へ 史上初、重量挙げ女子―NZ〔五輪・重量挙げ〕
「あの選手を見たか」。トランスジェンダー選手の女子競技参加に批判的なトランプ前米大統領は7月24日、アリゾナ州での講演でハバード選手を「彼」と呼んだ。その上で「(女性の)皆さんの長年の記録を破った」「彼は片手で挙げたのか?」と根拠を示さずに不安をあおった。
ハバード選手は男子競技を経験。心と体の性が一致せず、2013年に性別適合手術を受けた。国際オリンピック委員会(IOC)のガイドラインにあるテストステロン(男性ホルモン)の基準値を下回り、出場条件は満たしている。
IOCのバッハ会長も7月17日、「開催中にルールを変更することはできない」と指摘し、ハバード選手が出場できることを確認した。
一方、競技日程が近づくに従い、インターネット交流サイト(SNS)の中傷も増えているという。AFP通信によると、NZオリンピック委員会(NZOC)広報担当は「SNS上の非難から選手を守る。ネットいじめは許さない」と強い不快感を示した。
母国のアーダーン政権は多様性を重視する。ハバード選手は6月、NZ代表に選出されるに際し「国民の厚意と支援に感謝している」とコメント。7月30日には「われわれの希望、理想、価値観を世界で祝うのが五輪だ」と声明で述べ、IOCの対応を称賛した。
性別変更選手、2日に女子競技 「彼」とトランプ氏、SNS中傷も―東京五輪 - 時事通信ニュース
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