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Monday, August 2, 2021

レスリング文田 「号泣」銀メダル 決勝で敗れ、日本のグレコ勢37年ぶりの金を逃す - スポニチアネックス Sponichi Annex

東京五輪第11日 レスリング男子グレコローマンスタイル60キロ級決勝 ( 2021年8月2日    幕張メッセ )

男子グレコローマン60キロ級決勝で敗れ、号泣し引き揚げる文田健一郎(左)
Photo By 共同

 レスリング男子グレコローマンスタイル60キロ級の文田健一郎(25=ミキハウス)が決勝でキューバのオルタサンチェスに敗れ、銀メダル。日本グレコ勢としては、1984年のロス大会以来、37年ぶりの金メダルを逃した。引き上げる時には、両手で顔を覆い号泣。悔しさがこみ上げた。

 「(決勝で)勝って恩返ししたかったけど、ふがいない試合で終わって申し訳ない。自分の実力。期待に応えられなかったのがすごい悔しい」

 「快挙」は逃しても、文田が五輪に残した足跡は色あせない。最大の武器は世界一の反り投げ。山梨・韮崎工高では、レスリング部の監督を務める父の敏郎さんの指導を受けた。父が体の柔軟性を見抜いて鍛錬を重ねた結果、生まれた武器で、数々のレスラーをマットに沈めてきた。さらに父が指導した米満達弘さんが、12年ロンドン五輪の男子フリースタイル66キロ級で出場した際には、現地で金メダル獲得を目の当たりにした。「そこで夢から目標になった」。次は自分の番と心に刻んだ。

 2018年には左膝の靭帯を負傷する大けがを負った。そこから一念発起し、2019年世界選手権で日本勢第1号となる東京五輪代表に内定した。日本で最大のライバルだったのは、同じ日体大OBでリオ五輪銀メダリストでもある先輩の太田忍(27)。五輪切符を手にできず、その後、総合格闘技に転向した先輩とは、もう“闘う”ことはない。

 「ライバルでやってきて、もう競い合うことはない…一個終わったと思いました。忍先輩には感謝しかない」。だからこそ、メダル獲得が最高の恩返しとなることは分かっていた。五輪前には、太田とスパーリングし、「世界で勝つために必要なものは忍先輩から学んだ」。今回のメダルには、様々な感謝が詰まっていた。

 ◆文田 健一郎(ふみた・けんいちろう)1995年(平7)12月18日生まれ、山梨県出身の24歳。レスリングを韮崎西中で始め、父・敏郎さんが監督を務める韮崎工高に進む。国体で3連覇するなど史上初のグレコローマン高校8冠を達成。16年に全日本選手権で初優勝。日体大4年の17年に世界選手権に初出場して日本人最年少のグレコ王者となる。1メートル68。

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