脱力打法で2打席連続アーチをかけた。西武が「日本生命セ・パ交流戦」のヤクルト戦で、1点を追う9回に1イニング3本塁打で逆転勝ちした。山川穂高内野手(29)は7回に7号ソロ、同点の9回に8号2ランと今季初の1試合2発を打ち上げた。チームは交流戦最下位に沈んでいるが、ここから巻き返し、まずは連勝で初のカード勝ち越しを狙う。

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同点に追いつき、なおも無死一塁の9回。スライダーを振り抜いた山川は本塁打を確信した。「いつもそんな力入れなくても飛ぶからと言われるんですけど、まさにそれを実行できた打席でした」。決勝2ランは「50~60(%)くらい」の力で左翼席に放り込んだ。

直前の打席にヒントがあった。追い込まれ、外角を泳がされた。これは入らない。一塁を回ったところでヤクルト山田の顔を見て気付いた。左翼フェンスを越える7号ソロになっていた。ベンチに戻ると辻監督が「見てみぃ。あれで芯で打ったら入るだろぉ?」とひと言。最近はぶんぶん振りすぎて、顔が左翼席を向いていた。軽く拾っても当たり所さえよければ打球は飛ぶ。

土壇場の逆転劇はたった7球の間に起こった。中村がヤクルト・マクガフの初球を左翼席へ運び先陣を切った。栗山がつなぎ、山川が3球目を仕留めると呉念庭も初球を左へ。19年8月以来の1回3発で山賊打線が息を吹き返した。辻監督は「巨人戦で9回に追いついたり、今日みたいに逆転したり。徐々にチームとしても勢いづいてくれたら」と浮上を期待する。

交流戦9試合で2勝目。まずは連勝してカードを勝ち越したい。山川は「今年もケガで出遅れている部分があるんで、あまりホームランを狙いまくりすぎず、ほどよく狙いたいかなと思います。明日1本打つことを意識したい」。無駄な力を抜くためにも、オフに掲げた40発はいったん置いておく。狙いすぎず、力みすぎず、少し率が上がるように。“いいあんばい”で振っていく。【鎌田良美】

▽西武平良(9回を1安打に抑えて4セーブ目。開幕からの連続無失点を29試合に伸ばし) 3点差だったので(気持ち的に)楽でした。都度0点に抑えることを考えて投げてます。日本記録(31試合)は超えたいです。

▽西武中村(9回に反撃ののろしを上げる5号ソロ) スピードのある投手だったんで、それに負けないようにスイングしようと思って振ったら芯に当たってホームランになりました。

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